預金という神話
なんだかもはや投資(資産運用)ブログと化しつつある本ブログですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか?
本当はフィギュアスケートとか町田樹の記事も書きたいんですけどね…気合が入りすぎてめんどくさく…ごにょごにょ
今回は自分の資産運用についての考えを整理する上で「銀行預金」について少し書いてみます。おかしな所もあるかも知れませんが、ご容赦下さい。
皆さんが働いたり何らかの形で収入を得た時、それを保存したい時に選択する手段はほぼ100%「銀行預金」だと思います。
自宅の金庫に預ける人もゼロとは言いませんが、日本ではごく少数でしょう。
(「いや金やろ!」と言ったそこのあなた!…高橋ダンのYouTubeの見過ぎです(笑))
さて、皆さんは銀行ってどんな仕事だと思いますか?
預金者のお金を強盗や、使いたくなる自分の欲望から守ってくれる金庫番?
私は銀行業というものは、「預金者からほぼゼロ%の利子で借りたお金を数倍の額面に膨らませて他の企業に貸し出し、その利息を得る商売」だと考えています。(違ってたらすんません)
言い方を変えると、あなたがホニャララ銀行に預けたお金は、銀行の利息商売という事業の元手になっている、つまりあなたはその銀行の事業に「投資」している構図になります。
そしてそれと引き換えにあなたが得る利益は、100万円ならその100万円という額面の保持です。
それは翻って、30年前に預けた100万円は30年後も100万円でしかないという事です。
お金が減らずに済んで良かったでしょうか?
では昔100万円で買えた物が今でも100万円で買えるでしょうか?例え同じ値段であっても、その量は同じでしょうか?あなたの身の回りにあるものの値段は数年前も今と同じでしたか?
一方、仮にある優良企業の株を100万円買って、数年、10年後にそれが何倍、何十倍になっていたらどうでしょうか?
今だと仮想通貨が盛り上がりを見せていますね。5年前に1万円で買ったビットコインは、今だと約60倍の60万円です。…だったと思うw
もちろん見通しの甘々なダメ企業の株を買ったら倒産して株券が紙切れになる事もあり得ます。
その意味でリスクはゼロではありません。だから何を買うかという選別はとても大切です。
でも、モノやサービスの値段が上がっていくという事は、企業の株価も全体的に上がっていくという傾向があります。見方を変えるとお金の価値が下がってるとも言えます。
そういう流れの中で、銀行に預金してその額面を保ち続けるというリスクとメリットについて、特に預金という神話のままで思考停止をしている多くの日本の人に、少しだけ考えたり見直してみて欲しいと私は思います。
価格を保持するメリットと、成長の上昇に乗るメリット。
どちらかだけではなく、両方を上手くバランスを取って、長い目で見てあなたの資産を堅実に増やす方法をコツコツ実践して欲しいと願ってます。
あ、やるならちゃんと投資の基礎から学んで、数年間は少額投資ですよ!FXとか信用取引とか色気出して安易に大きく儲けようとしたらほぼ間違いなく最後に負けます!!
・・・・まぁでも結局は一般人は全世界株式VTIに積立NISAやiDeCoでコツコツ投資すればええんや!そんでちょこっとビットコインも買っておけばOKって話になりがちなんですが・・・(笑)
これからの日本経済や社会状況がどうなってくかは分かりませんが、金融リテラシーを少しでも高めて、自分と周りの大切な人の力になれる様に努めたいですね。お金はあくまで目的でなくて手段でしょう。
最後までながーーーーーーーい文章を読んで下さったそこの奇特なあなた。ありがとうございました。もし1ミリでもお役に立つ事があれば嬉しいです。
最近読んだおススメ本
投資におけるシャープレシオについて
さて、今回もなぜか投資についての記事を書いていきたいと思います。
フィギュアスケートとか映画の記事を書いていたブログがなぜ投資ブログに??と流れとしてはかなりへんてこりんですが、まぁ気にしないでください。人生とは予測不可能なものなのです(テキトーなまとめ)
皆さん株式投資で大事なのは何だと思いますか?
「株式投資とかわかんなーい」「そんなことよりタピオカドリンクすたれたよね~」という人が殆どでしょうから、何が大事もへったくれもないかと思います。
ちょっと経験がある人なら、「どの銘柄を買うか」「相場の流れ」「チャートの推移」などなど…色んな考えが出てくるでしょう。
で、まぁスパッと言い切ると、私は「シャープレシオ」が最も大事だと思います。
シャープレシオ?あぁかつての日本の液晶メーカーの雄であり今は台湾企業に買収された…ってそれはシャープやないかーい!
などとしょーもないボケはここまでにして、大雑把に言ってしまうと、シャープレシオとは買った投資商品の価格変動の大きさと、得られた利益とのバランスです!
( ^ω^)・・・多分そうだと思うw(違ってたらごめんなさい)
2つの例を挙げます。
Ⓐ企業の株を100円で買ったとします。Ⓐは1年間で価格が10%の上下変動、つまり110円に上がる時もあれば、90円になる時もあり、最終的に5%の利益が出た時、つまり105円で売却しました。
Ⓑ企業の株を100円で買い、1年間で25%の変動、つまり125円に上がったり、75円に下がったりしつつ、最終的に10%の利益が出た時、つまり110円で売却しました。
さて、あなたはどちらの投資が優れていると思いますか?
最終利益が多いのはⒷの110円ですよね。でも、Ⓑは25%のプラスもしますが、同時に25%のマイナスにもなり得た投資です。
1回だけなら、上手く25%の利益を得られるかも知れません。でも、何回も何回も取引機会を重ねていくと、最終的にはⒷの方が損をする可能性が高い。なので、Ⓐの方がよりシャープレシオが良い(=高い)投資。
そういった考え方です。
まぁ数字的な計算としては金利を考えてモニャモニャしながら、利益率÷変動率(Ⓐは5÷10=0.5、Ⓑは10÷25=0.4)とかになりますが、メンドーなんで細かな解説は以下のリンクに丸投げしますw
投資をやろうとする人は、当然お金を増やしたくてやる訳で、取引を覚えるほどにより多く儲けたいと考えるのは心理として当然ですけども、大事なのはいかに価格の下落や変動を抑えながら資産を増やしていけるかどうか。
その為に、1社に自分の大事なお金を一気に注ぎ込んだりしてはいけないです。だってそこの株価が下がり続けたらどうしますか?もー毎日恐怖ですよ恐怖!ブルブル…
なので、やっぱり普通に働いて生活してる人がその傍らで投資をするなら、前回の記事にも書いた様に、ある指数に連動したインデックス投資を積み立てし続けるのが最も堅実な資産の増やし方だと私は思ってます。
株で一発逆転を狙うは一か八かのギャンブルと変わりません。それは投資でもなければ投機でもないです。
もし個別株を買うにしても、いかにリスクを抑えながら、着実に利益を得る方法を見出していかないといけないですね。
最後に、私のお勧めする投資家YouTuber様を紹介して終わります。
今回も長々と失礼致しました。
何か1ミリでもお役に立てれば幸いです。
高橋ダンさん(日本人の母と米国人の父を持つ、元ウォール街出身のトレーダー。生まれた国である日本に戻り、日本人の金融リテラシー向上を目指している。納豆が大好き。英語チャンネルは英語力向上に有用かも?)
資産運用について
さて、基本的にこのブログはフィギュアスケートか映画の感想について位しか書かないブログになってますが、今回は「資産運用」について、自分なりに今感じてる事、経験した事などを書きたいと思います。
私が資産運用というのを本気で考えだしたのは、丁度『老後2000万円問題』が巷で話題になっていた頃でした。
内容としてざっくり私の解釈を言ってしまうと、「今後日本はますます高齢化が進行し、現役世代の負担が増す一方。なのでこれまでの様に老後を年金で賄うのは困難である。だから自分なりに手元の金融資産を株式などの投資に回して増やしなさい=要は自分でどうにかしろ」という感じです(違ってたらすみませんw)
まぁそんな事はとっくに分かってた事なんですが、改めて明言された形ですね。
でもまぁ、普通に日本で生活して教育とか受けたりしてたら普通の庶民は「投資何それおいしいの?」「キャー投資ってこわーい」って感じな訳ですよ。(実際今でも自分の周りの人はそんな人しかいないです)
しかしどー考えても労働だけで稼ぐには限界があるのです。24時間働いて金稼いでも身体を壊したら何にもなりません。
よほどの付加価値の高い業務や商品を行えたり開発できれば別ですが、そんなものは誰にでもできる再現性がないのです。
で、まぁYouTubeを偶々見ていたら、いわゆる投資系YouTuberの方が「積み立てNISA」の有用性について語られていたのを見ました。
要約すると、米国企業の成長にお金を投じる=米国株式を買う、という論で、かつ、一社だけに集中するのはその一社の浮き沈みに左右されるので、「インデックス指数」という包括的な一つの指針に合わせた投資商品を買えという話。しかも日本企業は殆ど成長してないので除けとの事。
ただやはり「ほんまかいな?」と疑う気持ちもあったので、色々と自分なりにネットや書店の本などで調べ、できるだけ変動リスクを抑える事を意識して、ネット証券であるSBI証券で口座を開設し、前述の「全世界株式」とやらを毎月積み立てる事にした訳でした。(実際にはS&P500とひふみ投信、債権も追加しています)
積み立て始めてはや1年半くらい経ったでしょうか?
今のところは20%強の利回りです。
銀行に預けていたら…ほぼ増えてませんね(笑)
といっても、これはコロナショックで多くの企業の株価が暴落し、その中でも売らずに変わらず積み立て買い付けをしたからこそです。安い時に買えたという事ですね。
実際、一時は利回りはマイナス20%になりました。
その後自分で個別に日本企業の株を売買したり、金積み立て、海外ETF、FX、仮想通貨などもやってみましたが、つくづく感じるのは、
投資とは、その対象の未来の価値への信託だという事でした。
株でも商品でも何でも、買う人が増えれば価格は上がり、売る人が増えれば価格は下がります。需要と需給のバランスです。
一つの例を出します。
アンジェスという製薬メーカーの株価が2020年3月から高騰をした事があります。400円付近から6月位には6倍の2400円位まで上がりました。これはコロナワクチン開発への期待が大きかったのかも知れません。
今、アンジェスの株価はそこから半値以下になりました。決算でも良い利益は「現時点では」出せていませんし、コロナワクチンが完成もしていません。未来への期待で買われ、現在の事実で売られたのです。
一方、同じ頃、任天堂というゲームメーカーは、小さな上げ下げをしつつもじわじわと株価を上げ続け、今では約2倍近い値をつけています。決算でもとても良い数字を出しています。
勿論、アンジェスの株価を400円で買って、2400円で売れた人はトレードに勝った人でしょう。今1000円で売ってもそうです。利益を出した訳ですから。
でも、それは投資ではなく、投機だと思います。
私は任天堂の株を買って、良い決算を出し続けてる、つまり社会に他にはない価値を提供し続けてる限り持ち続ける、そんな投資を心掛けたいと思います。
投資はその企業、対象が未来に作り出す価値に気づき、そこにお金を託し、成長の果実を共有する。
そんな事が、私が投資をやってみて、学んだ事でした。
最後まで長々と(苦笑)お読み下さった奇特な貴方、ありがとうございました。
貴方の未来の幸せにとって、何かの参考になれば、と願っています!
お勧め図書
※決算書の読み方について
浅田真央サンクスツアー@島根公演最終日
さて、長〜〜〜くブログを放置してた訳ですが(苦笑)、今回久々に書きたい出来事があったので筆を(キーボードを)を取りました。
タイトル通り、昨年、いえ一昨年からずっと観たかった浅田真央さんのサンクスツアーを観てきましたよ!コロナにより【2020年4月→2021年1月→2021年3月】と二度の延期がありましたが、今回無事開催できた事に関係者の方々全てに感謝です。色々と調整大変だったと思います・・・。
会場は島根県出雲市宍道町にある「湖遊館」。周りは田んぼだらけの長閑な所にあるスケート場です。近くに穴道湖自然館ゴビウスとかもありますね。10代の頃にスケートを滑りに来て以来久々に来たのですが、あんまり変わってなかったかも。
私自身フィギュアスケートのファンになったのは浅田真央さんや高橋大輔さんのお茶の間視聴からでしたので、こうして彼女のスケートを生で観れるのは本当にうれしかったです♪
出演スケーターさんは
浅田真央さん
無良崇人さん
今井遥さん
林渚さん
川原星さん
ガンスフ・マラル・エレデンさん
橋本誠也さん
山本まりさん
マルティネス・エルネストさん
河内理紗さん
浅田さんは勿論、無良さんと今井さんのスケートも楽しみにしてました!生無良のジャンプワクワク
で、まぁ結論から言いますと・・・これまで観たアイスショーの中で最高でした!!
といっても自分が過去観たアイスショーって町田樹と紀平梨花さん目当てで行ったプリンスアイスワールド数回と高橋大輔さん主演の「氷艶」しかないので母数が少なすぎますが…(笑)それにしても素晴らしかったです!!
会場がそんなに広くなくて、リンクにかなり近い座席(最前列から4列目のS席北側)なので目線が凄くスケーターさんに近いんですよね。
そりゃもう滑ってるスケーターさんが目の前ですよ!「おお!生真央ちゃんや!生無良や!うひょー!!ありがたや〜↑↑」とマスク越しにめっちゃテンション上がってました!(笑)
コロナと言う事で声援や掛け声は禁止でしたが、その分拍手でお気持ちを送りました!(by町田語録)
※ここから語りが長ーーーくなります(耐えられない人はブラウザバックだ!)
良かった所を挙げると沢山ありますが、まず
照明演出が素晴らしい
音楽や滑りに合わせて変化するのは当然ですけど、天井など会場全体を上手くライトアップしてて、単にスケーターさんを華やかに照らすのではなくて、それぞれのプログラムの世界観の構築が照明によって為されてたと思います。担当された人誰だろう…
プログラムに観客に伝えたいメッセージ性を感じる
今回観賞してて何だか作品に「伝えたい事」が凄く感じられる瞬間があったんですよね。特に『Somewhere Over The Rainbow(虹の彼方へ)』は、P!nkさんの歌声、歌詞の流れに合わせて出される虹色のリボンが、歌の世界観や込められてる願いが伝わってくるようで、本当に感動しました。きっと今でも色んな人が辛い想いをしてるであろう中で、だからこそ響く希望や願いが込められてるプログラムな気がします。
(あ、蝶々夫人も良かったよ!あとやっぱりラフマニノフピアノ協奏曲第2番の最後のステップはもうたまらない!!無良さん3回転半ありがとう!!)
浅田真央オーラが有難い
何のこっちゃ!って感じですけど(笑)生で観ていて「あぁこの人は本当に有難い存在の人なんだなぁ…」と思っちゃったんですよね。あんまり他人を偶像化するのは好きではないのですけど(誰しも悩みも煩悩もある一人の人間だと思ってるので)、間近で見た浅田さんは、観客への慈愛と感謝に溢れてて、かつ演技への情熱がほとばしる偉大なスケーターさんでした。もうあれは菩薩ですよ菩薩!福耳だし!(おい)
あとやっぱりエッジワークが本当に素晴らしかったです。深くて滑らかで、一歩一歩が伸びていて。表情もプログラムの登場人物になり切ってるんですよねー。数々の修羅場を潜り抜けてきたスターとはこの事か・・・。似たエネルギーは以前アイスショーで安藤美姫さんからも感じました。何て言うか「俺を見ろ!!」感w
唯一気になった点を上げるとしたら…
席間がない
私個人の考えだけ言えば、静かにマスクして前向いて観賞してる状況で、そこまで神経質になるのは、飛沫感染が…距離が…と言ってる理屈から言えば筋が通らないと考えるのですが、人間って理屈じゃなくて感情の生き物ですからね。特に「不安」って未知への恐れと生への執着からくるので、「ソーシャルディスタンスにご協力下さい」とアナウンスする側からパイプ椅子で横ぎっちりって何やねーん!とツッコミたくはなりましたよ!まぁ単純に窮屈が嫌いってこともありますが!
とは言え、サンクスツアーってアイスショーの相場ではかなり格安な料金設定なので(最前列最高価格で7500円)、採算面を考えると理解できるんですよ。あと、多くの人に観てもらいたい、と考える面でも。例えば1席空けて配置するとそれだけで収容人数もチケット収益も2分の1ですからね。かと言って料金を2倍にするとおいそれとは来れませんから。
ここら辺は難しい判断があったんじゃないでしょうか。
でも、会場入り口での手指消毒やマスク着用は必須でしたし、声出し禁止にもなっていて、皆さんやれる限りの事はされてたと思います。
最後に雑感
途中で『別れの曲(ショパン)』を滑ってるのを観ていて、「あぁもしかしてツアーは今年で最後にするつもりなのかも…」と浅田ファンアンテナ?が働きましたが、どうなるんでしょうね?勘ぐりすぎ?
とは言え、30歳を迎えて、今後の人生に向けて色んな事を考えられるでしょうし(農業がやりたいとか言ってた記憶)、肉体的にも毎回全力で臨まれてて演じるのにキツい事も多そうです。
アスリートのセカンドキャリアって競技に打ち込まれてる人ほど難しいと思います。
でもどんな道を進まれても、応援してます。あれだけのアイスショーをプロデュースできるなら、まだまだショーパフォーマーとして可能性無限大ではとも思ったり。町田樹負けるな(ん?)
改めて、浅田真央さん、キャスト、スタッフの皆さんありがとうございました!
いつかまた、何かご縁がある事をそっと祈ってます。
Somewhere Over The Rainbow(P!nk)
天気の子舞台挨拶観劇@広島バルト11
さて、興行収入100億突突破や第92回米アカデミー賞国際長編映画賞部門(旧外国語映画賞)ノミネート作品に選出など公開から1ヶ月位経っても何かと話題の「天気の子」ですが…
人生初の映画館での舞台挨拶を観に行ってきました!!
今回の作品は巷では(特にいわゆる大人の観客)には内容についてアレコレ言われてるようですが、私はとても気に入ってます。
その理由は映像や音楽(との融和性)や役者さんたちのお芝居はもちろん、新海監督や作り手が観客や今の世の中に対して真摯に向き合って伝えたい想いを表現されてたと感じたからでした。
「俺の最高だと思う映画はコレなんだよねぇ〜?ね?いいでしょー?」みたいな気持ちも映画監督や作家には必要たと思いますし、結局は自分の最高だと心から信じる作品を世に放つのが人の心を捉えるには大事だと思うのだけど、ともすればそれは(作り手の自己満足や閉じられた世界の中での自慰的な作品になりがち)という面もある気がしていて、映画界にもそういう人が少なくない様な気がします。ご本人が気づいているかは別にして…。(失礼)
新海監督の前作「君の名は。」に対する映画界や批評家等の方々の批判として『売れる要素を詰め込んだから売れたのは当然で中身は大した事ない』みたいなのがありました。
私は別にどれだけ売れようが売れなかろうが大事なのは受け手にとって必要か必要でないかだだと思いますけど、キャッチーな要素を詰め込んだから売れたんだ!という批判は何だか小さな器の人の遠吠えみたいでつまらないなぁと思ってました。観客ってひとりひとり人格がありますしそんなに簡単単純に劇場に大勢が足を運んでくれない筈です。
さて、などと文句も書いたりしましたが、今回は地元での舞台挨拶はないと踏んでの広島遠征です。会場はイオンモール府中4階にあるバルト11.
イオン系列の映画館ですね。
入り口も結構オシャレ。最近館内改装されたらしいです。
映画館ロビーにズラーッと並んだ天気の子ポスター。おもわずパシャリ
中に入りますと暗い通路に各シアターのフロアがライトアップされててまるで水族館みたいな感じでした(館内は撮影禁止らしく写真はなし)
上映館は少し小さめな箱でそれが舞台挨拶には合ってたかも。
実は今回3回目の観劇です。結構多い方だと自分では思ってましたが、後に遥か上を行くツワモノがいるのを知る。
映画本編に関しては廃ビルでの凪先輩の言葉からの流れは何回見てもグッときてしまいます。。涙
上映が終わり舞台挨拶が始まりました。なんと今回は撮影OKとの事で!恐縮しながらパチリ。司会の女性も素敵な進行ぶりでした!
こういう時に自分は遠慮してしまうタイプで後になってあれを聞いとけば良かったなーと思うのはいつものパターン。ここら辺の気性は変えたいですね。
恐らく恒例の質問であろう冒頭の「何回天気の子を見ましたかコーナー」では回数が増える毎に上げた手が下がっていき…最後に残ったのは85回見ましたという男性の方!!陽菜ちゃんのパーカー着てて監督や司会の人にネタにされてましたねぇ…(笑)公開から38日間で85回と言う事は1日2回見ても足りないので…
どんだけだ!!
広島の気風なのか温かい雰囲気の中でファンの方々が色んな疑問を新海さんにぶつけておられました。それに対して相手の目を真っ直ぐに見て、真摯に、丁寧に、腰が低く答えておられた姿はテレビで見る新海誠そのもので、(あぁこういう人だからRADWIMPSの野田洋次郎さんもどれだけしんどくても全てを注いで音楽を作られたのかもなぁ)と思わされました。
今回の質問で1番印象に残ったのは……とある男子高校生による「森七菜さんのファンなので今度お会いしたら好きですとお伝えして頂けませんか?」という質問でしょうか(笑)
新海誠「ではLINEでお伝えしますので下のお名前を…」
高校生「ありがとうございます!○○○○です!(フルネーム)」
…いやー若いって素晴らしいですね!!!(爆)
…本当は主演のお二人と一緒の舞台挨拶が見たかったのは内緒です。
2019年版「氷艶」感想~ユリア・リプニツカヤに寄せて~
先日横浜アリーナで行われたアイスショー「氷艶」初日昼の部を観てきました。
(公式HP)
2017年に歌舞伎とフィギュアスケートの融合という新しい試みから行われた同名アイスショーですが、今回は演出家に宮本亜門さんを迎え源氏物語をテーマにした総合舞台芸術と形容できるようなものに仕上がっていると思います。
氷艶というアイスショーの存在自体は知っていたのですが正直そこまで興味は惹かれず今まで映像、会場ともに見る事はありませんでした。
今回見に行きたくなったのはもう引退されてしまわれましたがロシアの女子フィギュアスケーターユリア・リプニツヤカさんが出演されるという情報を知ってからです。
彼女を有名にしたのは何と言っても2014年に自国ロシアで行われたソチ五輪の団体戦でのSPとFSの演技だと思います。自国民やプーチン大統領の期待を一身に背負った舞台で15歳ながら素晴らしい演技で団体戦優勝に貢献した姿はロシアだけでなく他の国にも大きなインパクトを残しました。私もそれまでにNHK杯などで演技を見てはいたと思うのですがあまり印象には残っておらず、この時の2つの演技を見て「何か新しい競技スケートの方向性を目撃した」と感じました。その後のロシア女子、主にエテリコーチの教え子達の活躍を見るに彼女がその隆盛の始まりだったのは確かでしょう。
音楽:マーク・ミンコフ
振付:イリヤ・アヴェルブフ
同FS
振付:イリヤ・アヴェルブフ
ただ、成功には功罪あるものでそれ以降の彼女は予想だにしない注目度の高まりに苦しめられる事になるのですが…。
ソチ五輪の個人戦では5位という結果に終わるもそのシーズンの世界選手権で銀メダルという結果で見事にその悔しさを晴らします。(埼玉で行われたこの世界選手権は羽生結弦と町田樹の戦い、浅田真央の優勝や表彰式の素晴らしい雰囲気といい自分の中で最も印象深い世界選手権てす)
しかし翌シーズン以降の彼女は成長期からくる体型変化によるジャンプの狂い、ルール改正により厳格化されたルッツジャンプのアウトエッジの不明瞭さに悩まされます。
彼女の物語性のある演技とロシアというよりソビエト連邦的な哀愁や慈愛が漂うような雰囲気に魅力を感じていた私は何とか再び上昇して欲しいと願っていたのですが、特に体型変化という女子選手特有の悩みは摂食障害による現役引退という幕切れをもたらしてしまいました。最後の1年は応援していても辛かったです。ルッツジャンプに関しては移籍したアレクセイ・ウルマノフコーチの元で良くなっていたと思うのですけども…。ソチ五輪までは多く表彰台に上り結果を残していただけにご本人が1番辛かったと思います。
最後の競技会での演技です。
2016年GPSロシア大会SP
音楽:ジョゼフ・コズマ
振付:ステファン・ランビエール
同FS
振付:アレクセイ・ウルマノフ、オリガ・ポヴェーレンナヤ
フリー後キスクラでの何とも言い難い悟ってるようにも見える表情が切ないですね。。。
現役引退後しばらくは大学でのスポーツマネジメントの勉強に専念し氷上に戻る事はなかった彼女ですが、仲の良いペアスケーターであるイリニフさんと立ち上げたスポーツアカデミーでの指導やプルシェンコさん主催のくるみ割り人形をテーマにしたアイスショーへの出演など徐々に氷の上へと戻ってこられる事が増え嬉しかったです。そんな中で発表された今回の「氷艶」。会場である横浜アリーナから遠く離れた地方民とはいえ、この機会を逃したら絶対に後悔する!!と往復日帰り航空券と公演チケットを買うのに躊躇いはありませんでした!(清水の舞台から飛び降りる気持ちとはこのこと!w)
羽田空港から横浜プリンスホテル行きバスに乗り会場へと向かいます。
前にライブで来て以来横浜アリーナは久しぶりです。そんなに変わって無かったですねー。
開演1時間前には会場周辺に沢山の人がいました。人気だなぁ。
無事に入場すると館内は売り場も大賑わい。ガチャもやってました。(やらなかったけどw)
開演までは撮影OKとのことでリンクをパチリ。
以下写真なしの感想。
今回の舞台で驚いたのは単に氷上を滑るだけでなく、インタラクティブプロジェクションマッピングという技術を使いスケートの軌跡を追うような光の演出をリンクの上で行っていました。時に花が舞うように、時に光の粒が追うように、リンクや舞台奥の壁を彩り、1つの空間をそこに創造していてそれが物凄く効果的だったと思います。
アイスショーで過去の常識を飛び越えたような空間演出は町田樹さんがPIWで何度か行っており(PIW横浜2017 町田樹 Don Quixote Gala 2017:Basil's Glory - YouTube)自分はそこに新たなアイスショーの可能性を感じていたのですが宮本亜門さんはそこに更に舞台芸術の要素を組み入れて新しい世界を作り上げていました。幕毎の切り替わりのテンポ感やそこで使われる音楽、リンクを縦横無尽に動きながら小道具大道具を使い展開される源氏物語の世界はこれまでになかった全く新しいショーとして成立していたと思います。
2017年の氷艶はまた違った良さがあったようですね。
20!7年版「氷艶」
特に驚いたのは高橋大輔さんのお芝居と意外にも(?)上手かったミュージカル的な歌唱シーンでしょうか。特にお芝居の面は宮本亜門さんの演出もあったのか舞台の型に適応されてた印象で、見ていてあくまで芝居素人のスケーターさんだからなどの違和感はなかったです。
役者さんの中では波岡一喜さんが滑りもお芝居もとても素晴らしくて、個人的MVPは彼ですねー!いい悪役っぷりでした!
そして私の最大のお目当てだったリプニツカヤさん。。初めて生で彼女のスケートを見ましたが、朱雀役のステファン・ランビエールさん共々台詞無しながら紫の上を見事に氷上で表現されていたと思います。
私は割りかし冷静に見るタイプですが、憂いのある美しい音楽に乗りながら舞う紫の上は見ていて言葉が要らない程の何かを感じました。やっぱり彼女は素晴らしい音楽と情感の表現者だと思います。
稽古中の映像とコメント。
インタビュー中の表情が楽しそうで充実してたのでしょうね。
私は恥ずかしながら源氏物語をまともに読んだ事がないので幸か不幸か最後まで先の展開を知らずに見終える事が出来ました。悲しい展開も多く、手放しで喜べるようなラストではありませんでしたが、ラストに語られる藤壺の台詞「あの方は月でございました。月は夜の孤独の中でこそ美しく輝くものでございます」はまるでスケーターの1つの本質を捉えた表現のような気もして、シミジミと聞き入っていました。
平原綾香さんもポップスの世界からミュージカルの世界に舞台を広げておられるのですね。流石の歌唱力……!!
あの方は 月でございました
— Ayaka Hirahara (@AyakaHirahara1) 2019年7月30日
月は 夜の孤独の中でこそ
美しく 輝くもので ございます
このセリフをそっと呟くと#氷艶 の世界に
タイムスリップできますよ
ロス方はぜひに!
みなさまの応援
誠にありがとうございました
これからもずっと
みなさまのことが
大好きでございます!藤壺より#平原綾香 pic.twitter.com/Xha6x30u5L
終演後は万雷の拍手と歓声が会場を包みました。私も思いっきり手を叩きました。
「氷艷ー月光かりの如くー」初回公演フィナーレの模様です。 撮影_小橋城 #figureskate #hyoen pic.twitter.com/Q1uKhIoHgJ
— Quadruple Axel 編集部 (@AxelQuadruple) 2019年7月26日
氷艶関連ツイートまとめを上げて下さってます
⚡️"Daisuke Takahashi * 氷艶2019 –月光かりの如く–
— Alexandrite (@chatoyancy_D) 2019年7月31日
まとめのまとめです。カウントダウンから本当に楽しませてもらいました🥰
その1 https://t.co/roioF3xwJS
その2 https://t.co/ysUBU1TBLg
その3 https://t.co/ynjLqTK1NR
その4 https://t.co/8NdaLjA4X3
その5 https://t.co/2v3dKktOnG
最後に雑感。
今回見終えてみて、そんなに多くのアイスショーを見ていない私が言うのも烏滸がましいのですけど、舞台芸術としてもエンターテイメントショーとしてもフィギュアスケートにはまだまだ無限の可能性が眠っていると感じました。観客席まで巻き込んだ演出は町田樹さんが「スワンレイク」で実践されましたが、(CaOI2017 町田樹 Swan Lake:Siegfried and His Destiny - YouTube)ああいった事も演劇やミュージカルでは有り得ない演出ではないですし、単に良い音楽と華やかな照明の中で有名スケーターが滑る事でファンを満足させ興行するだけではなくて、トップスケーターでなくても、更にはスケート畑の人でなくても、テーマ性や演出と修練によって新しい娯楽や作品を提供し楽しんで貰えるのではないかなーと。そういう新しいビジネスモデルみたいなものも簡単ではないにしても不可能ではないかも知れません。
高い日帰り旅行でしたが本当に楽しく幸せな時間を過ごさせて貰いました。
改めて関わった全ての方々に尊敬と感謝を!!
そしてまたいつかリプニツカヤさんの表現する世界観を日本の会場で見てみたいなーと願ってます。とにかくまずは元気でいてくれたら嬉しいなー。
初日終演後の演出の宮本亜門さんと主演の高橋大輔さんのコメント。この時の言葉は大袈裟では無かったと断言したい!!
「氷艶2019ー月光かりの如くー」の初日公演が行なわれ、演出の宮本亜門さん、主演の髙橋大輔さんがコメントを発表しました。 #figureskate #hyoen pic.twitter.com/I5gacEXw1v
— Quadruple Axel 編集部 (@AxelQuadruple) 2019年7月26日
映画「アルキメデスの大戦」〜ネタバレあり感想〜
映画館で予告編を見て以来気になっていた戦艦大和をテーマにした映画「アルキメデスの大戦」を見てきました。
原作は三田紀房さんによる漫画だそうですが、そちらは読んでいません。
https://yanmaga.jp/c/the_great_war_of_archimedes/
ヤングマガジン作品サイト
(試し読みあり)
映画「アルキメデスの大戦」予告編
監督は山崎貴さん。山崎監督もすっかりヒットメイカーになった感があります。元々はスターウォーズから映画監督を志した人なので特撮映像にロマンがある方。一番有名な代表作というと多分「ALWAYS〜三丁目の夕日」でしょうけど、
映画「ALWAYS〜三丁目の夕日」プレビュー
私の場合は「ジュブナイル」という少年達の冒険を描いたSF映画で初めて知った監督さんでした。
映画「ジュブナイル」予告編
うーん画面から漂うレトロ感…。鈴木杏さんの子役時代ですね。
以下ネタバレありで映画の感想。
特撮映画も好きなのであの巨大な戦艦大和をどう実写で描くんだろうと興味津々で劇場に向かいました。
お話としてはざっくり言うと第二次世界大戦前の日本海軍で今後を見据えて新しい戦艦か空母のどちらを作るべきか論争が起こります。山本五十六海軍少将(舘ひろし)はこれからは空戦の時代だから空母が必要と主張しますが、嶋田少将(橋爪功)は絢爛豪華、勇猛果敢な大艦巨砲主義を体現する巨大戦艦こそが必要だといかにも近代戦争に負けそうな思想を意気揚々と展開します。
(まぁどちらにしても日本が国力で遠く及ばない米国相手に勝てる訳もないのですが)
論理性や先見性では山本案が優れてますが、保守的もとい時代錯誤的な軍上層部は戦艦に気持ちが傾きます。これで戦艦の方が建造予算が桁違いに高ければ再考の余地もあるのですが、設計に当たった平山造船中将(田中泯)は何故か空母より安い謎の見積もりを出してきます。
そこで山本と永野中将(國村隼)はたまたま遊席で出会った元帝国大学学生であり天才数学青年櫂 直(菅田将暉)に正確な見積もりをはじき出し虚偽の提案として退けさせようと考えます。
色々あって帝国大学を除籍になった彼は日本に絶望して米国の大学に行く事を決めていたので最初は断りますが、戦艦大和を作ってしまうとやる気になった軍が米英に宣戦布告してしまいかねないので日本を守る為に何としても計画を阻止しようというイマイチ解らない理屈で山本五十六に説得され、帝国大学を辞める要因となった下宿先の尾崎財閥令嬢尾崎鏡子(浜辺美波)を戦争に巻き込みたくないと考えたのか依頼を引き受けます。
まぁそこからは殆ど全編に渡り見積もりを出させたくない嶋田側の妨害工作と何とかして計測しようとする階達の攻防が続きます。果たして櫂たちは嶋田達の計画を阻止できるのか?!笑福亭鶴瓶演じる大阪の大里造船社長もそこで重要な役割を果たします。
戦艦大和のシーンは冒頭に沈没シーンが流れるのみで、戦闘シーンはほぼ無い映画となっていました。一応開戦前とはいえちょっと意外でしたね。
気になるものは何から何まで測量して計算しなければ気がすまないという変態数学男櫂のキャラクターはとても面白く、そんな彼を最初は敬遠していた柄本佑演じる田中少尉との名コンビ?ぶりは見ていて楽しかったです。
現場は楽しかったみたいですねー。
舘ひろしさんや國村さん、橋爪功さんや本業はバレエダンサーの田中泯さんなど主要キャラがほぼオジサマだらけというおよそ女性ウケは期待できなさそうな面子なのは興行としては如何なものかとは思いますが、氷艶で初めて知った波岡一喜さんも出ておられ、彼らのお芝居や掛け合いはとても楽しめました。特に会議場でのやり取りはある種の滑稽さやおかしみがありましたね。
でもお話の展開やラストの締め方、女性がほぼ浜辺美波さんしか出てないのを考えるとあんまり売れないだろうなぁ………(苦笑
菅田将暉さん目当ての女性が沢山来て貰えればワンチャン…?