映画「アルキメデスの大戦」〜ネタバレあり感想〜

映画館で予告編を見て以来気になっていた戦艦大和をテーマにした映画「アルキメデスの大戦」を見てきました。

原作は三田紀房さんによる漫画だそうですが、そちらは読んでいません。

https://yanmaga.jp/c/the_great_war_of_archimedes/

ヤングマガジン作品サイト

(試し読みあり)

映画「アルキメデスの大戦」予告編

 

監督は山崎貴さん。山崎監督もすっかりヒットメイカーになった感があります。元々はスターウォーズから映画監督を志した人なので特撮映像にロマンがある方。一番有名な代表作というと多分「ALWAYS〜三丁目の夕日」でしょうけど、

映画「ALWAYS〜三丁目の夕日」プレビュー

私の場合は「ジュブナイル」という少年達の冒険を描いたSF映画で初めて知った監督さんでした。

映画「ジュブナイル」予告編

うーん画面から漂うレトロ感…。鈴木杏さんの子役時代ですね。

 

以下ネタバレありで映画の感想。

 

特撮映画も好きなのであの巨大な戦艦大和をどう実写で描くんだろうと興味津々で劇場に向かいました。

お話としてはざっくり言うと第二次世界大戦前の日本海軍で今後を見据えて新しい戦艦か空母のどちらを作るべきか論争が起こります。山本五十六海軍少将(舘ひろし)はこれからは空戦の時代だから空母が必要と主張しますが、嶋田少将(橋爪功)は絢爛豪華、勇猛果敢な大艦巨砲主義を体現する巨大戦艦こそが必要だといかにも近代戦争に負けそうな思想を意気揚々と展開します。

(まぁどちらにしても日本が国力で遠く及ばない米国相手に勝てる訳もないのですが)

論理性や先見性では山本案が優れてますが、保守的もとい時代錯誤的な軍上層部は戦艦に気持ちが傾きます。これで戦艦の方が建造予算が桁違いに高ければ再考の余地もあるのですが、設計に当たった平山造船中将(田中泯)は何故か空母より安い謎の見積もりを出してきます。

そこで山本と永野中将(國村隼)はたまたま遊席で出会った元帝国大学学生であり天才数学青年櫂 直(菅田将暉)に正確な見積もりをはじき出し虚偽の提案として退けさせようと考えます。

色々あって帝国大学を除籍になった彼は日本に絶望して米国の大学に行く事を決めていたので最初は断りますが、戦艦大和を作ってしまうとやる気になった軍が米英に宣戦布告してしまいかねないので日本を守る為に何としても計画を阻止しようというイマイチ解らない理屈で山本五十六に説得され帝国大学を辞める要因となった下宿先の尾崎財閥令嬢尾崎鏡子(浜辺美波)を戦争に巻き込みたくないと考えたのか依頼を引き受けます。

 

まぁそこからは殆ど全編に渡り見積もりを出させたくない嶋田側の妨害工作と何とかして計測しようとする階達の攻防が続きます。果たして櫂たちは嶋田達の計画を阻止できるのか?!笑福亭鶴瓶演じる大阪の大里造船社長もそこで重要な役割を果たします。

戦艦大和のシーンは冒頭に沈没シーンが流れるのみで、戦闘シーンはほぼ無い映画となっていました。一応開戦前とはいえちょっと意外でしたね。

 

気になるものは何から何まで測量して計算しなければ気がすまないという変態数学男櫂のキャラクターはとても面白く、そんな彼を最初は敬遠していた柄本佑演じる田中少尉との名コンビ?ぶりは見ていて楽しかったです。

現場は楽しかったみたいですねー。

舘ひろしさんや國村さん、橋爪功さんや本業はバレエダンサーの田中泯さんなど主要キャラがほぼオジサマだらけというおよそ女性ウケは期待できなさそうな面子なのは興行としては如何なものかとは思いますが、氷艶で初めて知った波岡一喜さんも出ておられ、彼らのお芝居や掛け合いはとても楽しめました。特に会議場でのやり取りはある種の滑稽さやおかしみがありましたね。

 

でもお話の展開やラストの締め方、女性がほぼ浜辺美波さんしか出てないのを考えるとあんまり売れないだろうなぁ………(苦笑

菅田将暉さん目当ての女性が沢山来て貰えればワンチャン…?