僕の生きる道
※今回は投資とは1ミリも関係ないただのTVドラマレビューですので、興味ない方は今すぐブラウザバックして下さい。あなたの貴重な時間が無駄になってしまいます
2003年のフジテレビ系のドラマで「僕の生きる道」というものがありました。主演は草彅剛さん、脚本は橋部敦子さん、演出は星護さんです。
人によって「私のこれまで見たドラマの中で1番のおすすめ」は様々だと思いますが、私がもし1本だけ挙げるとしたらこのドラマになります。
物語はある高校教師の話です。彼は将来を考えた人生設計を心掛け、高校、大学、就職と、将来の安定的な得や生活の為に目先の楽しみを抑えた日々を過ごしてきました。子供の頃は合唱団に入って歌手に憧れていた時期もありましたが、そんなのは幼い夢でしかありません。現実をちゃんと見て、それに合わせていくのが大人になるという事です。
コツコツ堅実に勉強した甲斐があり、高校教師という安定した収入のある職を手にする事が出来ました。周りに対して色々と思う事があっても口に出しては角が立ちますから、無難に振舞うのが賢い選択です。仲間たちがそれなりにお金を使っている中、給与収入のみで28歳で500万円の貯金もあります。
同僚にちょっと気になっている女性がいますが、残念ながら特に魅力的には映らないらしく、せいぜい食事に付き合ってくれる程度の関係なのは残念な所です。
そんな彼はある日の定期健診で、スキルス性胃がんにより余命1年と知らされます。
当たり前に未来があると思い続けてきた彼にとって、これまでの人生設計が一気に覆される事となりました。
死にたくないと思う気持ち、残された人生をどう生きていけばいいのか、刻一刻と人生の残り時間が減っていく事への恐怖。
これまで貯めていたお金を思いっきり散財してみたり、気になっていた女性に失礼極まりないアプローチをしたり、昼間からお酒を飲んで仕事をサボッたりと色々とやってみますが、そんな事をやっても何の解決にもなりません。
「何で俺がこんな目に遭うんだ?俺が何をしたって言うんだ?世の中には禄でもない人間が沢山いるのに、ただ毎日平穏無事に暮らしたいだけの俺がこんな目に遭うなんて不公平じゃないか!」
彼はそんな想いを担当医師にぶつけます。
医師は「確かなのは君はいま生きてるという事だ」と返しました。
苦しくて仕方ない彼は、遂に自ら命を絶とうとしますが、その望みは叶えられる事なく病院に運び込まれました。
入院中の彼は、たまたま生まれたばかりの赤ちゃんを抱えた母親に遭遇します。保育室に並んだ赤ちゃん達。彼は病院から母親に電話をかけました。
「僕が生まれた時、母さんはどう思った?」
母親の言葉を聞いて、彼の中で何かが吹っ切れました。
「残された1年を嘆くのではなく、後悔のない様に精いっぱい生きよう」
こうして、彼の高校教師として、人として、男性としての人生最後の1年がスタートしました。
日本は世界的に見て平和な国です。紛争や内戦、激しい格差はそこまではありません。
いつしか「死」というものが身近ではなくなったのかも知れません。
でも生と死は常に隣り合わせです。事故でも病気でも天災でも、人は大切な誰かや自分自身の命を失う事があります。ただそれを切実には自覚していないだけです。
もし、あなたの残りの人生が今日1日だけだったら、どう生きますか?
本当に大切にしたい事はなんですか?
大切な人は誰ですか?
誰に何を残し、何を伝えたいですか?
あなたにいまできる役割はなんですか?
このドラマはそんな事を問いかける、そういう作品だと思っています。
長々と失礼致しました。
今日があなたにとって、悔いの残らない、素晴らしい1日でありますように。
※動画お借り致します。